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「…式…なんて雰囲気にはならないだろうけど、望愛のために記念に残る日にはしたいと思います。お義母さんには心配掛けますが、準備は僕に任せていただいてもよろしいですか」
渉さんの真剣な表情に、
母は微笑んだ。
「…心配なんて少しもしてないわ」
母はわざと言葉を崩して柔らかく言った。
「遠野家のやり方…渉くんの考えに…異存はないわ。私も…楽しみにしてていいってことかしら?」
母が笑うと渉さんもそれに応えた。
「もちろんです」
母が会長にも改めて挨拶をすると、会長も母と同じ笑みを浮かべて言った。
「ここは、若い者に任せましょう。私も当日まで楽しみにしておきますよ」
会長は…
子供みたいに笑っていた。
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