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野太い声。
「はいはい」
めんどくさそーな声を出すあたし。
実の父親に対する態度ではないことぐらいはあたしにも分かっている。ま、家族をも信じられないあたしにとっては精一杯の返事なんだけど。
唯一信じられた人はもうここには存在しない。あたしの心の中には。
あたしはドアをバタンと開けて、リビングに入った。
「何、なんかあったの?」
ぱっと視線を上げると、この世界で一番会いたくない人が、一番憎い人の顔が、あたしの目の中に飛び込んできた。
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