理想と現実

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「うそ…」 「嘘じゃないよ。 正真正銘、ホンモノの婚約指輪。」 そうじゃなくて、 「なんで?なんで、もうあるの…」 ずっと言えずに、さっき初めて言ったのに。 「だって俺、もう前からプロポーズするつもりだったから。」 え、…そうなの? 「実はとっくに用意してあったりして。 でもさ、こういうのってタイミングだのなんだのって、女はいろいろ気にするもんなんだろ? だから、最初は美穂の誕生日まで待つつもりで。 だけど待ちきれそうになくて、今度の旅行で プロポーズするつもりだった。本当は。」 まさか、そんなふうに考えていたなんて…
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