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始めにこの紙片を見つけたその時から三週間が過ぎている。
その過ぎた日数をしっかりとマイナスして数字が刻まれている。
「…………五月二十七日?その日がなんだっていうんだ?」
逆算して、数字が零になる日について考える。
特に何も思い到らない。
「ねぇ、聞いた?」
「……あぁ、七不思議の話?」
「そうそう」
二人組の女子が昇降口へと入ってきた。
紙切れと見つめ合ったまま突っ立っていた俺は、咄嗟にポケットへとそれを突っ込んだ。
同時に、展開していた思考も停止する。
「今、何個目?」
「もう四個目だよ~」
「でも、一回話せば大丈夫なんでしょ?」
女子二人は、どうやら同級生のようで、こちらへと向かって来る。
再度靴箱を開き、然り気無さを装って上履きを床へと落とす。
この時間は生徒達の登校時間だ。
始業までには後三十分はあるが、特別早い訳ではない。なのにも関わらず昇降口に人が少ないのは、運動部が朝練の為にまだ校舎内へと到着していないからだった。
「きっと大丈夫だよ。ルールは三つで一人だって話だし」
「でもさ、六つ知っちゃったらどうなるの?」
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