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加えて、先輩の知らない原田、加藤、そして和希も……。
『記録者』『体験者』ともに全ての人物が共通している。
だから、杉浦は苗字が変わった事で禍を受けずに済んだ。
だから、同時に居合わせた内の古谷ではなく羽山だった。
だから、放送部部長である宮城ではなく柳瀬だった。
アルファベットで表記すればそれは一目瞭然だった。アナグラムにも満たない子供の暗号遊びのようなレベルだ。
だからこそ、今まで気付きもしなかった。
『……ぁ…………あ……じゃ、じゃあ、もしかすると私達が知らないだけで他にも被害者がいるかもしれないって事?』
明らさまに言葉に詰まった有馬先輩はなんとか次の言葉を見付けた。
『……し、ちょっと調べてみるね!』
上手く継げない言葉を無理矢理早口に続けて、最後に礼を付け加え、一方的に電話を切られた。
本当にそう思っているのかどうかは分からなかったし、それは無いという事も分かっていたが、俺は特に口は挟まなかった。
多分動揺を隠すための逃げ口上なのだと思う。
俺だって、あまりにも単純過ぎていまいち腑に落ちないくらいだ。
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