episode1 『過ぎてしまった夏』

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――― ――――― ―――――――― いつものように『蔵』でバイト中。 ポケットの中に入れっぱなしだったケータイ電話が音を立てた。 「あ、ごめんなさい、ポケットに入れたまま、しかも、音を消し忘れてました」 慌ててスカートのポケットから取り出して、マナーモードにする。 「もし、急な電話でしたら、出られても構いませんよ?」 カウンターで帳簿をつけながら顔を上げたホームズさんに、 「あ、いえ、友達からメールでした。お仕事中なのにすみません」 と申し訳なさに苦笑した。
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