episode12 『百花繚乱』

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今にも泣きそうな表情を浮かべている。 こいつが僕に対して、幼馴染みの兄貴以上の感情を抱いていることには、気付いていた。 そりゃ、無理もないかもしれない。 ……僕は、ある意味、こいつを洗脳して来たようなもんやしな。 自分が日の当たる世界から姿を消しても、たった一人でいい、誰かのヒーローでいたい。 そんなエゴを、僕はユキに押し付けた。 そして、今になって、目を覚まさせようなんて考えている。 ――ほんま、僕は勝手な男やな。
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