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今にも泣きそうな表情を浮かべている。
こいつが僕に対して、幼馴染みの兄貴以上の感情を抱いていることには、気付いていた。
そりゃ、無理もないかもしれない。
……僕は、ある意味、こいつを洗脳して来たようなもんやしな。
自分が日の当たる世界から姿を消しても、たった一人でいい、誰かのヒーローでいたい。
そんなエゴを、僕はユキに押し付けた。
そして、今になって、目を覚まさせようなんて考えている。
――ほんま、僕は勝手な男やな。
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