episode12 『百花繚乱』

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驚いた。 もう誰にも見破られることがなくなった、この僕の贋作を見抜いた奴がおると。 それは誰かと聞くと 『家頭誠司』と、仲間は最初にその名を口にした。 なるほど、と頷いた。 鑑定士として名の知れたじいさんだ。 どの世界にも、突き抜けた匠がおるもんや。 『さすがやな』 その時は素直にそう思った。 しかしその後に続けられた、 『家頭誠司とされとるけど、実際に見破ったのは、その孫で弟子の家頭清貴という大学生らしいで』 その言葉に耳を疑った。
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