episode12 『百花繚乱』

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「なんやそれ、どういうことやねん」 改めて、ちゃんと話を聞くと、美術館の視察に、家頭誠司と、その孫で弟子の清貴が訪れたらしい。 ジジイである家頭誠司は、すぐにソファーに座って、こう命じたそうだ。 『清貴、お前がまず全部観てまわれ。不審な物があったら、わしに知らせ』 清貴はその指示に従って、作品を確認し、そこにあった僕の贋作を見抜き、じいさんに報告したと、 そういうことらしい。 ――まだ、学生の坊(ぼん)が、僕の贋作を見破った。 胸の内側に、ふつふつと沸きあがる熱い思い。 ただ、会いたい。 とにかく、その家頭清貴に会って、確かめずにはいられなかった。
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