episode2 『秋の終わりに』

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「あ、その本、旅館のだったんですね」 「ええ、先ほど話していた志賀直哉の本があったので手に取ってしまいました。 行きましょうか」 「はい」 手をつないで歩き出す。 温泉にたっぷり浸かった私たちの手は、どちらもホカホカと温かかった。 私服が入った袋と部屋の鍵をロビーに預けて、外へと出た。
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