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.西洋甲冑の姿をしたロボットが去っていく。
定められたノルマを達成したのか、歩みはゆったりしていた。
.その鈍く光る背の更に遠方。
幾度も共に逃げ続けた幼馴染が駆けていく。
徐々に小さくなる姿に安堵する。
ーー振り返らないで。
最後まで見捨てようとしない彼を、半ば蹴り出す勢いで先に行かせた。
諦観や恐怖や、そうした絶望を覗かせない勝気な瞳。
それは、今も前方だけを見据えていればいい。
空を見上げることも、地に目を伏すことも、この枠組みの中では等しく意味の無いことだと私達は知っている。
.刺された腹部。
傷は、背まで貫通している。
いくら圧迫しようと、血が流れ出るのを止めようがない。
浅くなる呼吸。
痛みはとうになかった。
まだ、激痛に苛まれるほうがマシだと思った。
朦朧とする意識に、[死]は近すぎる。
.横たわった円形広場から見える町並み。
囲うように建ち並ぶ家屋は、風化し瓦礫となっているものも多い。
有刺鉄線や剥き出しの鉄骨。
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