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時間はあっという間に過ぎていき時計は午前8時を指していた。
コンコンと部屋のドアがノックされた。
私はそれに答える気もなく無反応。
しかしそれはいつもの事で、ガチャンと食器のぶつかる音がした。
この時間帯は誰かしらご飯を運んで来てくれる。
いらないと言っても、母はいつも作っては部屋の前に置いて行くのだ。
そして、今日みたいに荒っぽい音がする時はお姉ちゃんが持ってくる。
「何でアンタなんかの為に私が運ばなきゃいけないのよ!」
ドンっとドアに蹴りを入れたらしいお姉ちゃん。
嫌ならわざわざ運ばなくていいのに。
頼んでもいないのに何で私が怒られなくちゃいけないの?
私の事が嫌いなら関わらなくていいのに。
いない存在として扱えばいいのに。
私とお姉ちゃんは仲が悪い。
否、お姉ちゃんだけじゃなくて私は家族から嫌われているのだ。
嫌うくらいなら産まなきゃよかったのに…
お母さんのこの行為だって、ただの偽善じゃないか。
私は外に置かれた食事には手をつけずに部屋にある小さめの冷蔵庫を開けた。
中には栄養ドリンクやゼリーが詰まっている。
お金は自分で管理してるから、食べ物がなくなれば、夜中にコンビニで何かしら買い溜めしてくる。
貯金しといて本当によかったと思う。
高校に入ってから間もない頃に私はバイトをして、お小遣いを自分で溜めていたからね。
ゼリーを手に取り、椅子に戻れば、
《リノリンさん、ありがとー助かった!
《また、困ったら言ってね
ゲームに一区切りがついたところでログオフすることにした。
「ちょっと寝よう…」
ゼリーを机の上に置いて、ベットに移動する。
まだ一睡もしていないためか、目を閉じればすぐに睡魔に襲われた。
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