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あぁ、これは夢だね。
だって、こんなにもお姉ちゃんと仲が良かったのは昔の話だから。
それに、これはもう何度もみた私の過去であり悪夢。
「行ってきまーす」
「あぁ、お姉ちゃん待ってよー私も行く!」
「はいはい」
私と姉は昔仲良しだった。
いつも一緒でいつも笑いあっていた。
お姉ちゃんは大学2年、私は高校2年。
学校への道のりは途中まで一緒だった。
「今日も頑張ってね」
「梨乃も頑張って!怪我はしないようにね」
「怪我なんてしないってば!」
「はいはい、じゃーね」
いつもこんな感じだ。
お姉ちゃんは私に手を振り足を進めていく。
私はお姉ちゃんと反対方向に歩き始めた。
学校に向けて歩いていると、前方に私が気になっている人を見つけた。
気になる人、つまり好きな人なんだけど…
彼は人気者だったし、私何かが相手にされる訳もないって諦めていた。
でも、これが初恋な訳で、1%の希望だけは捨てきれずにいた。
そんな私はある日を境に人生は大きく動きだしたのだ。
「俺と付き合ってくれないか?」
そう、私の気になっていた彼からの告白。
私は嬉しくて仕方がなかった。
嬉しさのあまりに涙が頬を伝う。
「私でよければ」
彼は頬を真っ赤に染めて
「マジか!ヤバい…これ夢じゃないよね?」
自分の頬を引っ張っていて、私は思わず笑っていた。
無理だと思っていた恋が叶って本当に嬉しかった。
クラスで人気者の彼が、私なんかを見つけてくれたことが奇跡だと私は思った。
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