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門番2人は目を見開き驚く。
「きょ、巨人を倒しただと!?」
「王立騎士団が5人でやっと倒せる種族を触れただけで!?何者なんだ君は…」
門番の目に警戒の色が浮かぶ。それもそうだろう、自分達が束になってやっとの相手を1人で、しかも易々と倒したと聞けば警戒せざるを得ない。
「安心してくれ、あんたらに危害を加える気はさらさらない。それよか早く入れてくれないか?」
その言葉にシエルも同意する。
「そうですよ、私はこれからダンさんにお礼がしたいですし、なにより父に紹介したいんですから」
門番2人は可愛らしく睨むシエルを見て、渋々といった顔で門を開ける。
(まぁ、強すぎる力が警戒心を生むのは当たり前のことだわな)
町をシエルと共に歩くとすれ違う人全員がシエルに向かって挨拶する。そしてそれと同時にダンに向かって奇異の目が向けられる。
「やっぱり王女様と歩くとどうしたって目立つな」
「すいません、私自身護衛の方以外といること自体ありませんから、珍しくて仕方ないんだと思います。しかもダンさんの服装はこの辺りでは見ませんので」
ダンは素直にそれに納得し、金が手に入ったなら服でも買おうかと考える。
「ん?てか外では護衛っぽい人誰もいなかったよな?」
今更ながら思い出した疑問を口にするとシエルはビクッと体を振るわせた。
「…………護衛つけないってことは、無断で外出してたのか?」
見ると王女はダラダラと大量の汗をかいている。
「図星かよ…」
「こ、このことは父や母には内緒でお願いします。ダンさんは偶然この国を訪れた旅人ということで…」
「王女が王を騙すとか…。まぁいいさ、それよか俺今手持ちが全く無くてな、ギルドみたいなのがあるなら案内してほしい」
「あ、お金なら私がいくらか差し上げます。助けてくれたお礼をしたいですから」
2人が城の近くまで来ると、シエルはダンに暫くしてから城を訪ねるように言うと城の裏へと向かった。
「なんか、随分とアクティブな王女だな…」
そしてダンは軽く町を見て回ってから城を訪れた。
「何奴だ」
城門の前には門番が1人立っており、ダンに何者か問う。
「俺はただの旅人だ、暫くこの国に滞在しようと思ったから王に挨拶をしに来たんだ」
「ならすまないが持ち物検査をさせてもらう」
門番がダンの体を触り危険物がないか確かめる。
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