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王は側近の1人に訓練所に全ての兵を集めるよう指示する。
「さぁ、訓練所に案内しよう」
指示を出した後、王は立ち上がりダンを訓練所に案内する。
「へ~、広いな…」
訓練所は城の地下にあり、広さは東京ドーム程もあるように見える。
「ここは空間魔法を用いて本来の部屋より広くしてある」
王が広さに驚くダンに説明する。
奥から1人の兵が此方に近づいてくる。さっきの門番だ。
「さっきの旅人か…。その無謀さは若さ故か、それともただのバカだからか」
「御託はいい、さっさと始めようぜ」
ダンは訓練所の奥に歩を進めた。中にはざっと見ただけでも数百の兵が居た。
「数は中々だな、烏合の衆じゃないことを祈るぜ」
その言葉に兵達の額に青筋が浮かぶ。
ダンの後から入ってきた王は、訓練所全体に響くような声で言う。
「この旅人は巨人族を1人で仕留めたとホラを吹き!尚且つこの城の兵達でその実力を示して見せると言うではないか!この愚かな若者にこの国の力を見せてやろうではないか!」
「なら先ずは俺が行こう?小僧、今更引き返すことはできんぞ?」
兵達の中から分厚い鎧を纏い戦斧を持った筋骨隆々の男が前に出る。
両者が互いの間合いに入る。
「オラッ!」
兵が思いきり斧を振り上げ、ダンに向かって降り下ろす。
ブレイク
ダンはそれを破壊と呟き掌で触れると、ガラスが砕けるような音と共に止まる。
「今この武器の斬撃を破壊した」
ダンはニヤリと笑うと左手を兵の腹に当て呟く。
バース
「『創造』」
途端、兵の下半身が膝を着き、上半身は斧を持ったまま呆けている。
「「「「な!?」」」」
後ろの兵全員が驚きの声を上げる。
「うし、調子いいぜ。おら、残ったてめぇら全員でかかってこいよ」
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