第1章

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   私と彼とでは倍も歳が違う。  私が父の娘だから? なら、尚更……。  もやもや、霧のかかった思いで恨めしく睨んだら、隣にいる彼がくすりと笑った。 「っ!?」  ぼやけた視界が反転して、いつの間にか見下ろす側から見上げる立場に。  見下ろして、笑った……ような気がした。  質問に答えてよ。  むっ、とぼやけた視界で彼を見つめる。  とっくに見慣れた眼鏡のないその顔が近づいて、 「強いて言うなら、真っさら……だから?」  質問に対してだろう言葉を耳元に囁き、そのまま軽く耳たぶを食んだ。 「や……」  与えられる初めてばかりの感覚に、恥ずかしさで全身が熱くなる。  
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