一話 マリッジ・ブルー

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実家が富山の洋子は、 母親の知り合いのアパートを借り、 一人暮らしをしていた。 博之は何度も洋子の部屋へ来ていた。 だが、泊まることはしなかった。 蒲団は一つしかなく。 身体の大きい博之と一緒に横になるのは難しい。 それに部屋が狭く。 隣の部屋とは音が筒抜けだった。 育ちの良い博之には、安アパートは居心地が悪い。 彼は口には出さなかった。 でも、洋子にはそれがわかっていた。
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