一話 マリッジ・ブルー

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洋子は部屋の中を裸足で歩く。 マーブル模様の机。 それは偽物の大理石だ。 ニセモノ、その言葉が耳に残る。 昨夜、博之が置いたバスタオルを取った。 上にあるのが自分が使ったタオル。 そのはずだった。 手にとって一度、鼻先に持ってくる。 匂いを嗅(か)いだ。 でも、はっきりとはわからなかった。 諦(あきら)めて洋子はそれをカラダに巻き付けた。
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