一話 マリッジ・ブルー

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バスルームのドアを開けた。 そして、音を立てないように、そっと閉める。 脱衣所のライトは点けず。 バスルームだけ明るくした。 少しずつシャワーの蛇口をひねる。 叩き音が大きくならない、 ギリギリのところでカラダにかける。 ボディー・シャンプーをスポンジに付け洗う。 すみずみまで、泡だらけにした。 夜の名残を落としたかった。 歓喜に震えた自分を忘れたい。 泡が水に流れ。すさんだ気持ちが落ち着いてきた。 洋子はホッとした。 ここに博之がいない。それがなぜか嬉しい。
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