一話 マリッジ・ブルー

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「かんぱーい」 そっとジョッキをあてる。 そのとき、右手の薬指で輝くリングがマスターの目にとまって。 「婚約されたのですか?」 と洋子に訊いてきた。 洋子はマスターの目を見つめるだけだった。 言葉に詰まってしまう。 「ええ、先週、婚約しました」 答えたのは博之だ。 マスターの視線が博之をとらえ。 微笑んだ。 「おめでとうございます」 当然、その祝福の言葉は洋子にも向けられた。
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