第1章

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頭がくらくらする。 心臓がどきどきする。 身体が熱くなる。 「ゆーき、おきてるかー?」 ぷはって何とか顔をそむけて息を継いだ。 ちゅううううううって、絶対わざとでしょっていうくらい大きい音を立てて、のんちゃんの唇が離れる。 多分、僕の顔は真っ赤になってると思う。 ふわふわしてるけどぽかぽかしてて、風邪をひいたときみたいでうまく息ができないから。 「の…んちゃん?」 「おいおい、いい顔してんな、お前」 くつくつと喉を鳴らして、のんちゃんが楽しそうに笑う。 何が起こったかよくわからないけど、全然嫌じゃなかった。 それよりものんちゃんが上機嫌なのが嬉しかった。 「兄貴…頼むから、うちの子で遊ぶのもほどほどにしてくれ」 父さんがそう言ってたけど、全然、遊ばれた気がしなかった。 だんだんと頭が回ってきて、これがちゅーだったんだってわかったけど、嫌じゃなかった。 怒る気にもならなかった。 もう一回してくれないかなって、思った。 そんな小学6年の祭りの夜。
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