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「ねぇ、功さん、見て見て!」
華やかな声に、俺は顔を上げた。
「じゃんっ!!」
目の前にいるのは、もちろん、俺の愛しい妻である依代。
生まれつき体の弱い彼女は、儚く笑うことはあっても、こんな風にはしゃぐことは滅多にない。
サラサラの黒髪をなびかせて、はにかむように笑う彼女は、いつも通り愛らしい。
だがその顔に見慣れないものを見つけた俺は、思わず目をしばたたかせた。
「功さんと、お揃い」
依代の鼻の上にちょこんと乗っていたのは、シルバーフレームのメガネだった。
そのつるを左右の手で支えるように持った依代は『テヘヘ』と嬉しそうに笑う。
「ブルーライト遮光眼鏡? とかいうんだって。
パソコンをする時に、いいみたいだよ?」
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