おそろい

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「……駄目だった?」  あまりに俺から反応がないせいで、どうしたら良いのか分からなくなったのだろう。  依代がション、と、分かりやすくしょげる。 「……依代」  ああ、もう。  この愛らしすぎる生き物を、どうすればいいと言うのか。 「俺以外の人間と、お揃いの物なんて、作っちゃダメだぞ」  目の前に立つ依代の細い腰をさらって、自分の膝の上に腰を下ろさせる。  可愛らしい悲鳴を上げる唇を唇でふさいでしまって、甘い感触を味わいつくす。 「……でも、お揃いは良くても、キスをするのに、メガネとメガネじゃ邪魔だな」 「こ、……功さんの、バカ……っ!!」 「ん?」  淡く微笑めば、顔を真っ赤にした依代は口をパクパクさせるだけで、言葉は出なくなる。 「だって、仕方がないだろ?  ……可愛いすぎる、依代が悪い」  反論はキスで封じて。  今日も俺は、依代に酔う。
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