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ガラガラ
病室のドアが開く音がした。
「純、体調はどうだ?」
「あぁ。お前か。」
入って来たのは、西多 悠斗。俺の親友。
「お前か、って。お前なぁ。仮にも親友に対して冷たくね?」
「べーつに。俺、外見てたんだし?ノックもなしに入ってくる奴に言われたくねー」
「やっぱ、お前変。ホントに何も覚えてないのか?」
そう聞いてくるコイツは流石だと言う以外言いようがない。
俺の親でさえ気づかないような些細な俺の変化にも直ぐに気付く。長年、一緒にいただけあるってことか。
「ああ。何にも。」
それでも、俺はウソをつく。これで何度目だろうか。最近はいつもこのやり取りだ。そろそろ、コイツもキレるだろうな。
「いい加減にしろよ?いつまで、そんな嘘つき続けるつもりだよッ。」
ほらね。でも、こればかりは仕方がない。
「嘘なんてついてねぇよ。」
そう言えば、悠斗が睨んできた。まるで、もう一度嘘を吐けば許さない、と言うみたいに。
でも、こればかりは仕方がない。だから、俺もアイツを睨み返す。
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