3人が本棚に入れています
本棚に追加
学校から帰宅したミカは、自宅のリビングでぼんやりとテレビを見ていた。
少し窮屈に感じる制服を脱いで、ラフな部屋着でテーブルの上に両腕を置き、あごを乗せる。床のカーペットにべたっと座って、後姿はなんともだらしないかもしれない。
今テレビで流れているのは、夕方のニュース。内容はあまり頭に入ってこない。女性のニュースキャスターの声が、ミカの耳には遠くなったり近くなったりして聞こえていた。
ミカは高校2年生。
元気で明るく、友達も多い普通の女の子だ。友達とのおしゃべりは時間を忘れるほどで、笑顔も絶えない。一緒にいる友達も、ミカの笑顔が伝染したようにやわらかくなる。
しかしその反動か、友達と別れ家に帰ってくると、ひとりぼんやりとしている事が多かった。
制服を着る事が窮屈だと思うようになったのは、いつ頃からだろうか。
友達との会話で、頬が引きつっている事に気付いたのは……?
仲の良い友達に囲まれる事に、プレッシャーを感じるようになったのは?
くにゃりと視界が歪む。
テレビの画面にノイズがはしる。
濃い眠気に抗わず、まぶたをそっとおろした。
最初のコメントを投稿しよう!