四品目 壬生浪の洗礼

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 それを見た瞬間、火でもついたように、頭の芯がかっと熱くなった。 「――殿内ぃっ!!」  叫んだ声は、本当に自分の声かと疑うような、激しい怒りに満ちたものだった。勢いよく足を踏み込み、今度は深く、その身に刀を沈ませる。  殿内は声もなくその場に崩れ落ちた。肩で息をしながら、その姿を見下ろす。  たいして走ってもいないのに、呼吸が乱れて一向に整わない。沖田はふらふらと歩き、少年の前で足を止めた。  地面に膝をつくと、祈るような気持ちで少年の身体を抱き起こす。 「あ……あぁ……」  ため息にも似た声が口からこぼれた。ぬるりとした生温かい感触に、自分の手を見つめる。真っ赤に染まった、その手を。  少年はすでに息をしていなかった。  ――私のせいだ。  沖田は思った。  自分があのとき躊躇しなければ、足を止めなければ、この子は死なずにすんだ――。
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