二品目 追憶と夢の影

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 夢を見た。子どもの頃、父親と母親と三人で遊園地へ行った夢。  父親は土日休みのない仕事であるため、こうして一緒に外へ遊びに出掛けた記憶はあまりない。  いろいろなアトラクションを回った末、花は両親とお化け屋敷に入った。  お化け屋敷の中は薄暗く、あちこちから不気味な音や悲鳴が聞こえてきて、足がすくむほど怖い。 「もうやだ、歩けない!」  泣いて駄々を捏ねると、父親はお化け屋敷を出るまで花を背負って歩いてくれた。父親の歩みはゆっくりで、けれど確かに前に進んでいく。  その間、花はずっと時が過ぎるのを待っていた。目を閉じて、耳を塞いで……恐ろしいものが消えてなくなるのを、ただじっと、待っていた。
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