最終章

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頭まで被った私の布団に、触っているのか触っていないのかわからないくらいの力で頭を優しく撫でてくれる小さな手の感触が伝わってきた。 深ちゃん...撫でてくれてるんだ。 やだ、お母さんみたい。 一人布団の中でクスッと笑っていると、布団の外で息を飲む音が聞こえた。 「ね...安崎さん。そのままでいいから聞いてくれる?」 いつも以上に優しい声が聞こえてきた。 普段でも充分癒し系の声をしているのに、一段と落ち着いた声は癒し効果は倍増だ。 「あのね、確かに私はその...旦那さんとしか付き合ったことないけれど...」 わっ!やっぱりそうだったんだ。凄い...純愛だ、純愛!! 「でもね、ずっと順調だったわけじゃないよ?」
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