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「お前っていつから俺のこと好きなの?」
最初、俺に言われたのかと思った。
心臓が止まって息の仕方を忘れてしまいそうになった。
食べ始めたばかりのアイスクリームを落としそうになる。
「え?どうしたの急に。」
俺が反応するよりも先に、
サトが言葉を発した。
今度は、言葉も出なかった。
心臓は動きだし、大きく音を立てて脈を打ち始める。
春なのに、背中が冷たくなって
頭が真っ白になっていく。
「なんか気になった。」
俺を挟んだ2人の会話に、俺は笑えなかった。
なによりも、2人の顔を見ることができなかった。
「ふーん。秘密ー。」
弾んだサトの声に、目の前がぐにゃりと歪んだ気がした。
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