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きっちり無駄毛の処理された滑らかな肌。
透きとおるような白さも、足首のしまり具合も、何もかもが完璧だ。
君の脚は芸術作品だよ、杏莉。
こうして、誰にも気づかれないようにこっそり君の脚を眺めている間は、日常のあらゆる不満を忘れられる。
至福の時だ。
そして、その幸せをぶち壊す奴も、決まっている。
「おはよー、橘」
宮田(みやた)ユウキだ。
杏莉を視界から消すように現れやがって。
せっかく杏莉の斜め後ろの席になったというのに。
とりあえず、卒業まで席替えはしなくてよし。
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