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「あ!ごめんなさい」
ヒールにつまずき、前から来た彼にぶつかった。
その拍子にバックを落とし、中身が出てしまった。
「大丈夫ですか?」
彼はバックの中身を拾い集めるのを手伝ってくれた。
うん、優しいわ。
「ありがとうございます」
私は彼に微笑みかける。
でも、瞳は濡れたまま。
「…どうしたんですか?」
彼はそう私に問いかけた。
じわじわと目元が潤いを帯びる。
そして、あと少しで瞳から一滴落ちるだろう。
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