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「ええ、ちょっと困った事が……あ、ゴメンなさい。見も知らぬあなたにこんな話を」
「ううん、これも何かの縁だから」
「ハンカチ新しいの買いますから。連絡先を教えて貰えますか？」
「いいよ、そんな事」
彼は頬を指で掻きながら、遠慮気味にそう言った。
「でも……」
「じゃあさ、この後時間ある？ハンカチの代わりにお茶奢ってもらおうかな？」
安い。
簡単に釣れた。
「ええ、じゃあ食事にしません？そんな時間ですよね？」
時計は21時を回っている。
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