第6章

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 うー……だから押さえてたんだってば。  しゅっ、しゅっ、とミストが髪の毛にかかる音がする。 そして亜希は手櫛で私の髪を梳いた。 亜希は意外とこういうのが得意で、器用で。と いうか、やりたがったりするので私は甘えていつもやってもらっていたりする。 人に髪の毛を梳いてもらうのは気持ちいい。 私は目を瞑って、亜希に任せた。 「今日は図書部?」 「ううん、生物部。でも水やりはしなくていいから、部室で本読もっかな、って思って」 「お菓子目当てなんじゃないのー?」  それもちょっとはあるけれど。 「そういや千草、最近丸くなったよね」 「えっ!? 嘘!?」  私は、かっ、と目を開けて亜希に振り向く。 確かに最近、というか、生物部に入ってからお菓子とかお菓子とかお菓子を毎日のように食べているけれど、食べ過ぎてるわけじゃない、はず。
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