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見た者全てがここはスウィートルームかと目を見張る様なそんな一室の窓際に座り、アメリアは古びた革製の表紙の本を閉じた。パタン、と小さく音がする。
「──はぁ…」
灰青の瞳を天井へ向けてぼんやり呟きをこぼした。
「これもう読み飽きたよ。暇だなぁ」
昨夜、晩餐のあと。唯一の身内の祖父に声をかけられた。
『──え、外出禁止?』
『そうじゃ。なんでも、お前も参加して欲しいと陛下に頼まれてのぅ』
『…お祖父ちゃん、話が見えないんだけど…?
陛下は私に何を?』
怪訝な面持ちで首を傾げる孫娘を、祖父クラークは笑みで細めた灰青の目で見る。
『ほ、ほ、ほ。情報収集が出来とらんのぉ~明日は勇者召喚の儀を取り行うのじゃよ。その場に、デルタ一族の儂等も顔を出せとの仰せじゃ』
勇者召喚。魔王を討伐することのできる唯一の存在。イリニの救世主。
『その儀式に、私を?』
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