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情報収集云々はスルーして、目を丸くして聞き返す。…多少、イラッとしないこともなかいがそこは我慢だ。祖父にはそれさえお見通しだろう。
『何を驚いておる。お前は今やこの王宮を囲む結界を織り成す術師デルタの筆頭じゃろうが。これもお勤めと諦めぃ』
『う、うん…』
まぁ、正直なところ特に外出の予定はなかったりする。花の十五歳の女の子なのに。いや、別に泣いてないしリア充を僻んでもいないし。
チラと汚れ一つない窓から見える、銀色の光の粒で出来た不可侵の壁──結界【神々の加護】を一瞥した。これが、ドーム状になって王宮を覆っているのだ。彼女、アメリア・デルタの役目は神々の加護の発動と維持。勿論、こんな大掛かりな術を彼女一人で保っているわけではないが。
『で、その儀式は明日のいつ頃に行うの?』
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