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「私の心配なんていらないです!
それより早くいきますよ!?
期待に胸を膨らませー」
心の声が漏れた気がする。
私は三度目、ドアに手をかけた。
「待って、それはやっぱ悪いよ。
これあんたのでしょ、返すってー。
オレはなんか……あ、スリッパでいいや!
ラッキー!」
そう言ってキル様は私に靴を返した。
ダメだ。スリッパじゃ。はだしと一緒だ。
何が「ラッキー!」だ。
靴がない方が「アンラッキー」なのに。
一体何なんだこの人は。
第一私は奴隷なんだから、心配なんかいらないし!
王族は王族らしくふんぞりかえってればいいの!
それより私は素足で雪道をなれてるからいいけど、キル様は絶対慣れてないでしょ!
途中で死なれたりしたら逆に迷惑なの!!
「もう! そんな心配いらないんですよ!
ほんとにほんとに外は寒いんですよ!?
凍え死んだらどうするんですか!
あなた王子なんでしょう!?
奴隷の私なんか心配するだけ損ですよ!」
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