序章

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世界歴一九五五年。 無限の世界の一部にひとつの大陸があった。 そこにはふたつの国が成り立っていた。 南西に点在する国々が商業と文化の繁栄を共有し、連合したロディニア民主主義連合国。 北東の山岳地帯を中心に武力で統制した大規模な軍事国家、コルポシア軍事帝国。 次なる侵攻目標をロディニアに定めたコルポシア、両国の間に戦乱が起きるのは時間の問題だった。 世界歴一九五八年。 コルポシア帝国はロディニア連合国に服従を勧告。 ロディニア連合国代表セレホドー大統領は、各地域の頭首達と話し合い、これを拒絶。 すると同年、帝国は圧倒的な兵力を用い連合国に侵攻を開始した。 世界歴一九六一年。 必死の抵抗も虚しく連合国は本来の国土の三分のニを帝国軍に攻め取られていた。 帝国軍の首都攻略が始まった頃、ここから四年間、連合国は驚異的な粘りを見せ帝国の皇帝と将校を呆れさせた。 世界歴一九六五年。 連合国の代表の元に帝国の使者が現れる。 ――『これ以上は侵攻しないので終戦協定を結ばないか』。 セレホドーは帝国の優柔不断さに腹を立てたが、国や民衆を考え、徹底交戦派の反対を押し切り協定を締結。 この終戦協定には『占領した地域は帝国領に』という理不尽な内容が含まれていた。 この結果、連合国側では徹底交戦派がセレホドーを『売国奴』として政権交代を模索、クーデター派を設立し大統領邸へ押しかける。 セレホドーを擁護する正規軍とクーデター派による内戦が勃発する。 このクーデター派の行動により帝国軍に占拠されていた旧連合国領からも様々な勢力が蜂起、『ロディニア解放戦線』という大規模な勢力がゲリラ活動を仕掛け、解放を訴えた。 帝国側にも帝国の振る舞い方に疑問視する者達が現れ、再び世界は混迷と化することになる。
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