序章

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なにが正解でなにが最良なのか、それは選択してみなければわかりない。 答えは選択しなければ出ないものだ。 選択さえしなければ進歩はない。 選択すれば進歩はある。 得をする者がいれば損をする者もいる。 救われる者もいればどん底に落とされる者もいる。 なにが正解でなにが最良なのか、それは選択してみなければわかりない。 「私の選択は間違っていたと思うか?少佐」 「私にはわかりません。私は命ぜられるまま従うコマです」 「だがそのコマにも思考はあるだろう」 「そのようなものはとうの昔に捨てました」 レンガ作りの豪華な邸宅。 誰もが見れば羨むだろう。 どのような金持ちが住んでいるのか?中はどうなっているのだろうか? 建築当初はさぞきらびやかで威厳があっただろう。 それも百年程の時が経過し、改修はあったものの威厳は無くなっていた。 改修するほどの余裕も無くなった亡国のそれは失墜の象徴とも言える。 「アークレット少佐!正面口が破られました!」 「残存部隊は」 「アーチャー、ブロンズは健在!チャート、ダーツ、エレクは交戦中!」 「アーチャー、ブロンズはエンドラインの防衛に当たらせろ」 「全隊に通達します!」 「クーデターの人数は?」 「数え切れない、といった方がよろしいかもしれません」 「これもまた私の選択が生んだ結果。クーデターの発生も君達の命もだ」 「そんなに弱気なってどうするんですか」 「弱気にはなっていない。政治家とは屁理屈と卑屈の塊なのだよ」 「何はともわれあなたを失ってはこのロディニアが機能しません」 「アークレット少佐!ダーツ、エレクからの応答がありません!」 「了解、ターキーを移動させる。ケビン曹長、あとは任せた」 「少佐もご武運を……バリケードを強固にする、行くぞ」 「いよいよ反逆者達が入ってきます。避難トンネルへ行きましょう」
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