キミと、みたい、花火

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「なぁ。これ何時までやんの?」 ぐるりと上半身を回転させ、教室正面の掛け時計を確認すると、時刻は既に短針が3を幾ばくか過ぎたところ。 そろそろ学校出んと、間に合わん。 「せやなぁ」と天井を仰ぐ委員長の回答を待たずして、早々にこの作業の終わりを提案した。 「もう今日は解散しよや。俺、琵琶湖花火行きたいねん。」 孝生が渋ろうが、断ってこようが…… 俺はまだ、諦めてへんし。 決意を確固たるものにし、眼鏡の奥の瞳に訴えかけると、ぴくりとその上の眉が上がる。 「そうか……。今日、琵琶湖花火大会か。」 ぽつりと呟いた後、僅かに考え込むと、にやりと唇の端を引き上げる委員長。 直後、驚きの提案をその唇から滑らせた。 「いいやん!それ!!今からなぎさ公園行って、花火観に来てる連中から空き缶回収したらいいねん!!」 「…………は?」 なに? 思いっきり顔を歪める俺を尻目に、盛り上がり始めるクラス内の野郎共。 「おー、いいやん!んで、そのまま花火観て帰ろうや!!」 徐々に上がっていく教室内のテンションに、ヒクヒクと表情筋が引き攣る。 いや、花火大会行きたいで? 行きたい言うたけどな!! 俺はお前らと仲良しこよしで行きたいんやなくて…… 孝生と二人で行きたい言うてんねや!!
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