キミと、みたい、花火

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ある程度歩いたところで、チラリと孝生のゴミ袋に目を向ける。 申し訳程度でも缶が収まっている俺の袋に対して、いまだに空気しか入っていない孝生のそれ。 全くもって、やる気なし!! 「なぁ、お前もちゃんと集めろや。そのために嫌々でもここに来てんねやろ?」 嫌々の部分を僅かに強調して、何気に花火の誘いを断られた俺の傷心をアピールするも、気怠そうに息を吐かれて通常運転でスルーされる始末。 「俺……別に、缶集めに来たわけちゃうねんけど。」 そう訳のわからない発言を残した後、だらだらと俺を追い抜いていった。 少し行った先で、缶ジュースを手にした女子高生っぽい三人組に声をかける孝生。 何やら会話している様子を遠目からじんわり眺めていると、突然ぐびぐびとジュースを飲み干した女が孝生に缶を差し出した。 「……………。」 なんや、あれ? 孝生のために、一気飲みしたんか? 缶を受け取り、にこやかに微笑む孝生を見て、端から見てわかるほど頬を赤らめる女子。 それを目にして俺の中に広がるモヤモヤした気持ち。 ……孝生はモテる。 背も高いし、顔もまぁまぁ整ってる方やし。 何より女に対して外面がいい。 別に……俺かて、孝生と二人っきりの時は、優しいしてもろてるし。 好かれてる自覚もある。 けど…… その空間から一歩外に出た途端に、孝生は冷たくなる。
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