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理由はわかってる。
俺が男で、孝生も男やし……。
ふらりと視線を孝生たちから外すと、視界に映り込んでくる仲睦まじい男女のカップル。
周囲を気にすることなく、ぴたりと惹き合うように繋がれた手指。
俺と孝生には出来得ない、そのささやかな愛情表現にさえ、胸が詰まる。
俺が女やったらよかったんか?
終いには自分ではどうしようもないことまでが脳裏を占めていって、それを振り払うように視線を戻すと、先程缶を渡していた女が自分のスマホを孝生に向かって差し出していた。
それに応対するようにズボンの後ろポケットに腕を伸ばす孝生。
今から何が行われるのかが容易に予測できて…………一瞬で頭に血が上った。
「っ、もういいから次あっち行くで!!」
猛スピードで孝生の傍へ駆け寄ると、奪い返すようにその腕を引き、女どもから距離を取らせる。
暫く無言で引き続けた後、振り落とす勢いでその腕を離した。
「……お前、なに番号教えようとしとんねん!!」
自分と孝生の関係に、沈んでいた矢先にそんな場面を見せられて。
爆発した感情が、低く凄んだ声を俺の口から出させる。
睨み上げた先には、苛立つ俺に臆することなく淡々と切り返す孝生。
「缶集めて連絡してくる言うから。別にええやろ?お前が集めて来い言うてんやろが。」
「っ……!そこまでして集めろ言うてへんわ!!」
声を張って喚く俺に、心底面倒臭そうな表情を浮かべてくる。
直後、鼻で笑うように言い放った。
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