キミと、みたい、花火

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「…………なんや、ヤキモチか。」 「っ!!」 言われた瞬間、顔の表面を覆い尽くすように体中の熱が上昇してくる。 「は?そんなんちゃうわ!お前の態度がムカつくだけや!!」 恥ずかしさを誤魔化すために、無茶苦茶な理屈を並べる俺を静かに傍観する孝生。 俺らの間に流れる険悪な空気。 少しの沈黙の後、心の底から漏らしたような冷たい低音が、ひび割れたこの場に響いた。 「……これやから、お前と外で会うのいらんねん。」 「――――――。」 耳の中に孝生の言葉が入ってきた瞬間、体の中心が締め付けられるような息苦しさと共に、瞼の内側に水分が上がってくる。 それが目の縁から溢れないように必死に我慢して、震える唇を無理矢理動かした。 「あっそ。ほんだら今から別行動にしよや。別れて缶回収した方が効率的やしな。」 そんなこと、思ってもないくせに。 もう、そう言うしかなくて……。 ぐっと唇を噛み締めて俯きながら、孝生の反応を待つ。 もう、孝生の顔見れん。 今見たら…………泣く。 「……わかった。」 何の感情もないような孝生の回答が、風にのって届く。 顔を上げるともうそこには―― 遠ざかっていく孝生の背中しかなかった。
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