八章、そして終章へ

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「なんだ」 「もうあまり、関わらない方がいいです」 「なぜ? 事件が解決し、ここで行われていた悪事が明るみになれば、お前も自由の身になれるんだぞ」 「輝夫とひな、も同じことを言っていました。でも、死んだのでしょう。きっと、殺されたのでしょう?」  鳥の黒い瞳が、大城を見上げた。  その時、だった。  タン……ッ、壁一枚隔てた向こうから、物音が聞こえた。  大城の意識が、向けた視線の先へと一気に集中する。 「……黒沼だな」 「……刑事さん……」  鳥にしっ、と人差し指で黙るように示してから、大城は銃を構えて立ち上がった。 「安心しろ、ちゃんとお前の飼い主には会えるよ」  だから静かにしていろ。  そう言って大城は扉の脇に音も無く立った。  ゆっくりと、静かに回すノブ。  かちゃりとロックが微かに外れる音と、感触。  次の瞬間。  大城は勢いよく開け放った扉の向こうへと、拳銃を手に足を踏み入れた。 「渋谷署だ!」  足音と、物音が続く後にはゆっくりと閉まるドアがあった。  閉じられてゆくほの白いドアを細く開いた目で見つめて、偽尾白は目を閉じた。 「……だから、輝夫も、ひなちゃんも、そう言ってくれたんですよ……」  午後十一時、五十三分。
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