八章、そして終章へ

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「……?」  やけに、手薄だな。  そう感じた大城は、警戒の色を深めながら静かに部屋へ侵入した。  そこは白く広く、そして暗い部屋だった。  先ほどまで大城が見ていた研究室に繋がるドアが奥に見えていた。  ステンレス製の医薬品キャビネットとテーブル、ワゴンが並びそこには薬品の入っているであろう瓶がすらりと並んで居た。  実験準備室。  そんな名称がぴったりと合うような、空間。  銃を構えたままで大城は、その中を進んだ。  靴裏が立てる音が、微かに部屋に響く。  ここは、無人だろうか。  黒沼は、別室か。  そう、思った時だった。 「……あなたは……だれ」  やけに通りの良い声が、部屋の奥から聞こえた。  ――――人がいる。  それを知った大城は、銃を構えたままでゆっくりとその声の方へと歩いた。  一歩、二歩……  黒く光る金属の檻に囲まれた、そこにはーーーー 「えっ」  バサリ、羽音の向こうから、丸く黒い瞳が、こちらを見ていた。 「……あなたは、だれ、ですか」  小柄な人ほどの大きさがある鳥がそう、大城に言った。
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