八章、そして終章へ

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「どっかで聞いた事がある名前だな。どこだったか……おい、失踪者リストと手配者リスト、それから念のために警察OBリストとの照合を頼む。それから、今は手一杯なんだよ。悪いが、誰か祖対班から応援に行ってもらってくれ」 「わかりました」  そう頷いて電話を受けた生活安全課の捜査員が、電話口に向かった時だった。  応援に向かおうとした祖対班の捜査員が、おや、という顔をした。 「刑事課長。今の、被害者ですけど……」 「なんだ、そっちで心当たりがあるんならヤ印か」 「違いますよ。元本店の刑事です」 「なんだって」  上着を手にしたままで、データベースを触っていた捜査員が、課長を振り向いた。 「……逃走中の大城、やつの元同僚です」 「なっ……!」 「事件に何か、関係があるんじゃ」  言いかけた捜査員の言葉は、そこで遮られる。  思わず立ち上がった課長が、声を張ったからだった。 「すぐに、すぐに現場へ向かってくれ。それから射殺だと言ったな。海月医師へ連絡を。弾丸が語るぞ!」  深夜の刑事課に、課長の指示が響いた。    
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