14/29
前へ
/341ページ
次へ
客の3人を通常通り相手をして、一度部屋に戻る。 時計を見ればもう夜中の3時だ。 最近は疲れてたのか、客をそんなに取らずにこの時間には寝ることは多かった。 だが今日は違う。 あと一人、ネックなものが残っている。 あぁ、完璧に寝れるのは何時になるのだろうか。 「弓弦さん、大丈夫ですか?」 「大丈夫、ちょっと眠いけどね」 「はは、弓弦さんらしい答えですね」 宗くんは、ニコリと笑い、私の髪をもう一度整えてくれる。 服装はさっきまでは着物だったが、今は違う。 なぜか相手の要望だと、洋服を持ってこられた。 真紅のワンピース。 ここまで服のまま肌を露出するなんてほとんどない。 「弓弦、客はもう部屋で待ってるわ」 「わかった。樹、ちょっとまって」 これまた相手の要望通り、化粧も落として、スッピン状態に戻す。 何がしたいのか、さっぱりわからん。 「よし。いくか……」 「これで最後ですよ」 「うん、いってくる」 襖を開けて、部屋を出る。 「何かあれば、言ってください。すぐにいきますから」 「了解」 「行ってらっしゃい」 2人に見送られ、笑顔でいってきますと返す。 さてと、会いに行きますか。
/341ページ

最初のコメントを投稿しよう!

838人が本棚に入れています
本棚に追加