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「今日は、拒まないんだね」 「だって、今日は貴方一人でしょ?拒む理由が無いわ。拒んだら仕事にならないもの。それに予約の埋まってたにも関わらず私に、昨日の倍支払ったんでしょ?とんだお金持ちね」 一体いくら支払ったんだか……。 「へぇ、じゃあ今日は俺の好きにしていいんだ。遙に自慢しよう。君に支払った額は株で稼いだ金なんだよね。昨日の10倍君に貢いだ」 100万……他に何買えるよ。その100万で。 脳内で買えるものを想像しながら、微笑む。 「蒼樹さんは、ずいぶんと株取引がお上手なのね。それで稼いだお金をここに使ったの?」 「勿論。君はある程度出さないと会ってくれないんだろう?」 他に使いみちはあるだろうに。 わざわざここに来なくても、女なんてごまんといる。 ちょっとお金をちらつかせれば目の色変えて飛びついてくるだろう。 それを狙ってアクセサリーでも買ってやればいいのに…… この男は、ここに。私の目の前にいる。 「……あなたは、私をどうしたい?」 「んー。君の事を色々しって、全部俺だけのものにしたいな」 「それは……」 私の腰にあてられる彼の手を掴んで、目の前に持ってくる。 「それは、貴方の愛ゆえの独占欲かしら?それとも……あなたは私に興味があって、自分の好きなものを手に入れたいという傲慢な物欲からくる感情かしら?」 まっすぐ揺るがない瞳で私を見つめる彼を私も、じっと見る。 この人は、きっと私に夢中なんじゃない。 別に夢中になってはいらないが、この先いい金ずるにはならなさそうだ。 そんな気がする。 「ずいぶんと、面白い質問だね。君は、一体なにがほしいの?」 「……決まってるじゃない、金よ」 こいつには、見繕ったものも偽りの愛もいらない。 早々にお帰り頂こう。 存分に、引いてもらってから。 「私は、金持ちが大好き。私の身体と私の嘘だらけの愛に夢中になった奴らが私に金をいくらでも投資してくれる。貴方の払った100万以上のお金を一度に支払う馬鹿な奴だっている。私はそんな奴らを見て楽しくて仕方がないの」 ほんと、滑稽な奴らだ。
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