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---------- ---- -- 暗いまどろみの中に、光なんてない。 怒りを表すように雷がなり、泣くように雨が降り注ぎ、地面に叩きつけられていく音がやけに大きく感じる。 目の前には男と女の2人の無慚な姿。 地面は赤く染まり、まるで血の海だ。 取り乱すことなく、涙さえも出ないこの状況でただ座り込みこう思った。 なぜ、私を残したのか……。 なぜ、連れてってくれなかったのか……。 私は幸せになりたかったわけじゃない。 そんなもの望んでない。 ただ、家族みんなで仲良く暮らせるだけで私はよかったのに……。 全部、全部あいつらのせいだ。 絶対に、許さない。
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