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「髪型どうしましょうか」 着つけを終わらせた私を鏡台に座らせて、私の鎖骨くらいまでの長さの黒髪を梳く。 「適当でいい。宗くんに任せるよ」 「……わかりました」 私の言葉を合図に、手際よく髪を持ちあげ上に上げて行く。 男なのに、私より女子力高いよね。 着つけに化粧にヘアメイク。なんでもできる彼。 ハイスペックだな。 「そういえば、そのルビーはまたあの人の贈り物ですか?」 「そ。あの男の贈り物。今回はネックレス」 「この前はブランド品の時計でしたよね」 時計なんてしないのに。 ブランドには興味はない。 親父が花魁まがいの女になに夢中になってるんだか……。 「宗くん、これ質屋で売っといてね」 「え?また売るんですか?この前の時計もそうですけど、客からの高そうな贈り物、全部質屋に売ってるじゃないですか」 贈り物は全部質屋。その方が金になる。 「別に構わないよ」 「つけろって言われた時どうするんですか?」 「言い訳はどうにでもなるよ。私は、物よりお金」 「はぁ……わかりましたよ。売っておきます」 「よろしく」 微笑んでやると、宗くんに盛大にため息をつかれた。 何、何か問題でもあるわけ? 「できましたよ。お客様がお待ちですからいきましょう」 私の髪をうまく上に上げてかんざしで留めてある髪を眺めて立ちあがる。 「さてと、うまく相手してきますかね」 深呼吸をしたあと、宗くんに連れられて、客がいる間へと向かった。
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