殺戮という名の日常

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「よし、できた」  許される時間一杯をかけて香織の髪をとかし終えたナオは満足そうに頷いて櫛を置いた。 「ありがと」 「どういたしまして」  香織の短いお礼にナオは笑顔で応えた。  香織が立ち上がりながら時計を確認すると時計はデジタル表示で7時15分を示している。これから朝食と考えれば余裕がないわけではないがゆったりもしていられない。そんな時間である。 「行こうか」 「うん」  ナオの呼び掛けに答えながら香織から廊下に出る。  廊下には香織やナオと同じようにTシャツにカーゴパンツ姿の子らがそれぞれの速度で歩いていた。  香織とナオは歩幅の違う子らのその流れを崩さないようにしながら廊下を食堂に向かって進んだ。
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